怪獣図書館【視聴覚資料収蔵庫】

 極論すれば、たいていのモンスター映画は未確認動物映画と言ってしまっていいかもしれません。
 ただし基本的に、ここでは「既に世間で未確認動物として認知されている存在、あるいはその亜種」をテーマにしたものを収蔵しております。

目次
〈映像館〉
映画作品【邦画】
映画作品【洋画】
番外編・未確認動物じゃないけど原人映画
ドキュメンタリー【海外】
ドキュメンタリー・フェイクドキュメンタリー・ビデオドラマ【国内】
アニメ等

〈音楽館〉
邦楽
洋楽

映画作品【邦画】

・『探検隊の栄光』2015年、



 往年のテレビの探検番組をモチーフに、その裏側をコミカルに描く。後半は一転、意外な展開に……。
 川口浩探検隊ファンとしては、終始愉快な作品。隊長は俳優・藤原竜也のセルフパロディのようにも感じた。原始猿人も素晴らしい。ある意味「野人映画」でもある。
 鑑賞したのが平日ということもあってか観客は十数名ほど。ボクと同世代くらいが多かったが、けっこうな頻度であちこちから笑いが起きていた。70〜80年代のああいったTV番組群を知らない世代がこれをどう見るか、興味のあるところではある……。


・『憐れみムマシカ』2010年、ジェリーフィッシュフィルム


公式サイト
 同じモチーフを持つ映画としては、重松清原作の『ヒナゴン』(2005)という佳作があるだけに、どう差別化をはかるかが注目点だったのですが、完全にドタバタコメディにすることによって、まったくカラーの違う作品になっていますね。
キライじゃありません。こういうテーマを、中心に据えて描いたというだけで称賛に値します。低予算(?)ながら、かなり頑張っていて好感も持てます。

 ただ、ちょっとドタバタ劇過ぎて……もっと言うと、登場人物たちがのべつ幕無し怒鳴っているばかりで、ちょっと疲れてしまいました。歳のせいかも。
こういう演出は、舞台劇だったら生きたのかもしれません。映画なら、もう少し画面に語らせてもよかったかなぁ……なんて少し思います。

 未確認生物の発生によって、町に人が押し寄せる描写も、山に入って捜索するバリバリのビリーバーばかりではなく、冷やかしに町を訪れる、ライトな観光客層を多めに出して欲しかった気がします。現実の未確認生物による町おこしは、後者の方が圧倒的に多いのですから。世間の注目を浴びる、という描写も、全体的にあっさりしている感じがしました。

 とまあ、いろいろありますが、楽しく観賞しました。この手のテーマは、展開させづらいかもしれませんが、果敢に挑んだ意欲作であることには間違いありません。


・『ヒナゴン』2004年、ヒナゴンフィルムパートナーズ


重松清『いとしのヒナゴン』の映画化。元々、井川遥主演での映画化前提の企画だったらしい。1970年代にブームを巻き起こした広島のヒバゴン騒動がモデル。
町村合併に揺れる町を舞台に、30年ぶりに持ち上がったヒナゴン騒動に翻弄される人々をコミカルに描く。とはいえ、ドタバタコメディではなく、過疎化や住民の高齢化など、現代の地方都市が抱える様々な現実的な問題を、ときにペーソス溢れる演出で描いた佳作。地に足のついた現代的ファンタジーである。


・『恐竜怪鳥の伝説』1977年、東映


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・『獣人雪男』1955年、東宝

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映画作品【海外】

 謎の生命体を描いたモンスター映画は数多あります。それこそ、コナン・ドイル原作の『ロスト・ワールド』や、髑髏島に太古の生き物が跋扈する『キング・コング』もこれに含めてもいいかもしれませんが、ここでは、すでに世間でUMAとしての認知度のある怪獣に材を取った、あるいはモデルにした作品に限って集めてみました。
 20世紀初めの恐竜復元ブームや、映画『ロスト・ワールド』『キング・コング』などのビジュアルが、現実世界のネッシーや雪男騒動に与えた影響も少なくないと思いますが、それについては、いくつかの拙稿をご参照いただければ幸いです。

・『大脚印』(Journey to the Forbidden Valley/China Bigfoot: Legend of the Yeren)2017年、アメリカ・中国


 実際に〈野人〉騒動の舞台となった、中国湖北省神農架にロケしたアメリカ・中国合作映画。
 着ぐるみの〈野人〉が大活躍? 中国では2017年に劇場公開。


・『イグジスツ 遭遇』2014年、アメリカ



『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の共同監督エドゥアルド・サンチェスによる、POV方式のビッグフット映画。


・『U.M.A 2014 フォレスト・モンスター』2014年、アメリカ



『森林孤影/Mountain Ava』2014年、中国


 中国版『アバター』のふれこみでCGも多用した中国産の〈野人〉映画。
 とは言いつつも、実際は女ターザン物。


『ビッグフット・ハンター』(THE LOST COAST TAPES)2012年、アメリカ



『U.M.A ビッグフット・アタック!』(Assault of the Sasquatch)2012年、アメリカ


『ビッグフット UMA確認。』(Boggy Creek)2011年、アメリカ



『ビッグフット・ハンティング』(SNOW BEAST)2011年、アメリカ



『ブンミおじさんの森』(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)2010年、タイ




 目当ては猿の精霊と呼ばれる〈野人〉然とした森の獣人だったのだが、全編にわたる奇妙な映像美(特に夜の森)・不思議な物語に引き込まれる。2010年パルムドール受賞作。


・『野人也有愛』中国、2008



 中国のバンド新褲子のCD『野人也有愛』(2008)初回特典DVD収録の表題曲PV。
 新褲子『野人也有愛』のDVDには、約60分にも及ぶ同名短編映画「野人也有愛」を収録。唯一無二の中国〈野人〉映画だ。一部、実際に神農架自然保護区でロケ。ラストで北京の街を疾走するUMA〈野人〉の姿は、まさにケムール人。特典映像と片付けるにはあまりにちゃんとした映像作品となっている。
 監督の彭磊は、かなり日本特撮オタクらしいが、2006年にはインディーズで映画『北海怪獣』も発表している。北京で怪獣とUFOが激突? 
 CDはアジア系の書籍や音楽・映像ソフトを扱うサイトでも取り寄せ可能。ご興味ある向きはぜひ。


『ウォーター・ホース』(The Water Horse: Legend of the Deep)2007年、アメリカ



 内容はというと、最初から最後まで、誰もが予想できる展開でありまして、まあ、安心して観ていられました。1930年代という、実際のネッシー騒動に合わせた時代設定と、「世界で最も有名な“1枚の写真”に隠された、孤独なふたつの魂の出会いと別れの物語」という意味深なキャッチコピーから、くだんの「外科医の写真」撮影をめぐるストーリー展開も期待していたのですが、写真は、物語の導入部と中盤にちょっと触れられる程度で、徹頭徹尾、少年と怪獣の成長物語でありました。
 話の筋としては、正直、大人には物足りないかもしれませんが、子供に見せたいなぁ、と思うようなファミリー・ピクチャーにはなっておりました。決して貶めるつもりはなく、いい意味で子供向けの映画だと思います。
 まあ、『ドラえもん のび太の恐竜』のパクリだなんだという声も多いですが、少年が動物との交流(主に幼獣から成獣になるまで)を通じ、自身も内面的に成長するなんてのは、古今東西ポピュラーなネタですしね。それだけで目くじら立てるのはどうかと、
 日本でもほかに、景山民夫さんの『遠い海から来たCOO』や、最近では『ガメラ~小さき勇者たち~』なんてのがありました。
 ただ、今「動物」と書きましたが、この映画に出てくるのは、過去に実在した生き物としての首長竜ではなく、あくまでケルト系伝説の幻獣「ウォーター・ホース」なんですね。
 クリーチャーの形象は、実際の目撃例や撮影された写真などを、(真贋はさておき)参考にしたようで、長い首にヒレ状の四肢、頭部にはかわいらしい角が2本ついております。まさしく、典型的なネッシー像を踏襲していると言えますね。
 しかし、劇中、その生物を「恐竜だ」「首長竜だ」と呼ぶ者は皆無。世界的恐竜ブームだった20世紀初めのことを考えると、不自然なくらいです。主人公の少年も、卵から孵ったその姿と現代の動物図鑑とを見比べますが、それが太古の生物に似ているとは思いもよらない、といった様子でした。
 少年の理解者である使用人のモーブリーの口から、「こいつはひょっとして伝説のウォーター・ホースでは?」と語られて以降、その生物は伝説の幻獣として扱われていきます。
 実際、その成長のスピードは、異常とも言えるほど速く、動物学の常識を超える存在として描かれています。単性生殖で、卵を産んだら死んでしまうというのも、神秘性を帯びていますしね。
 あえて生物ではなく、幻獣色を前面に出したこのキャラクター設定は、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリーポッター』、『ナルニア国物語』、『ライラの冒険』等々、最近のイギリス発のファンタジー映画のヒットと、そこに出てくる神話的クリーチャーの人気にあやかったものかもしれませんね。
 一昔前の怪獣映画は、伝説上の幻獣が現代に現われたが、その正体は実は恐竜の生き残りで……的なお話の持っていき方が主流でしたが、面白い逆転現象です。
 伝説の存在を、現実に存在する(した)生物として解釈するという、ID書き換えの作業は、今は流行らないのかもしれませんね。
 この『ウォーター・ホース』、未確認動物マニアとしては、CGで再現されたウォーター・ホースが、ネス湖の湖面から首を出してゆうゆうと泳ぐシーンには、胸が熱くなりますし、少年を背中に乗せ、躍動感いっぱいに水中を泳ぎ回る姿には、
興奮せずにはいられません。
 実際のロケ地はニュージーランドながら、あのネス湖の怪獣の姿が、そこにはリアルに再現されていたのであります。その部分だけでも、劇場の大スクリーンで観ておきたい映画なのであります。


・『アイスコング』(the Abominable)2006年、アメリカ


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・『HAKAIJYU 破壊獣』(Devil on the Mountain)2006年、アメリカ



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・『ビッグフット 猿人』(Bigfoot)2006年、アメリカ


・『大きなお友達ミーシー』(MEE-SHEE: THE WATER GIANT)2005年、イギリス・ドイツ



 「大きなお友達」といっても、いい歳して、特撮映画オタクをやってる方々のことじゃないですよ。
これは、カナダの山奥の湖【注1】を舞台に、都会の少年と、湖の伝説の怪獣ミーシーとの交流を描いたファミリー映画です。
 ここに出てくるミーシーは、首長竜と言うよりも、絶滅したステラーカイギュウのような、水棲の大型ホ乳類のような造形でありました。一応、劇中では、ネイティブアメリカンの伝説上の存在として語られていますが、そこに神話的な香りは、あまりありません。
 それにしても、このような映画で動物(怪獣)と触れ合う少年は、ほぼ、決まって片親ですね。
 『ウォーター・ホース』では父が、『大きなお友達ミーシー』では母が、『ガメラ~小さき勇者たち~』では母が不在です。さらに相手を宇宙人にまで広げると『E.T.』では父がいないなど、異生物との交流モノでは、枚挙にいとまがありません。
 そこに神話的なナニカを読み取ることも、あるいは可能なのかもしれませんが、まぁ、作品の作り手としては、おそらくその方が、描くべき「少年の成長」の“伸びしろ”が大きくなるからなんでしょうね。

【注1】:日本のDVD紹介サイトでは軒並み「フロリダの湖」と書いているが、間違い。
 フロリダは、当初親子で旅行に行くはずだったディズニーランドがある場所であり、それが親父の仕事の都合で、急遽カナダの湖に行くことになってしまったというのが物語の導入部。紹介文書いたヤツ、ちゃんと作品を観てないな……。


・『ザ・コング』(Sasquatch Hunters)2005年、アメリカ


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・『チュパカブラ』(Chupacabra)2004年、アメリカ


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・『APE2003』(The Untold)2003年、アメリカ


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・『ビッグ・フット』(Deadly Species)2002年、アメリカ


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・『マイ・フレンド・イエティ」(Ein Yeti zum Verlieben)2001年、ドイツ


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『ロック・ネス』(Beneath Loch Ness)2001年、アメリカ


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・『プロフェシー』(THE MOTHMAN PROPHECIES)2001年、アメリカ


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・『ジェヴォーダンの獣』(Le pacte des loups)2001年、フランス


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・『U.M.Aレイク・プラシッド』(LAKE PLACID)1999年、アメリカ


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・『チュパカブラ・プロジェクト』(Legend of Chupacabra)1999年、アメリカ


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・『ジャージーデビル・プロジェクト』(The Last Broadcast)1998年、アメリカ


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・『リトル・ビッグフット2』(Little Bigfoot 2: The Journey Home)1997年、アメリカ


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・『リトル・ビッグフット』(Little Bigfoot )1995年、アメリカ


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・『永遠の夢 ネス湖伝説』(Loch Ness)1995年、アメリカ

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・『ビッグフット』(BIGFOOT The unfogetable Encounter)1994年、アメリカ


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・『ハリーとヘンダスン一家』(HARRY AND THE HENDERSONS)1987年、アメリカ


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・『恐竜伝説ベイビー』(BABY, THE GREATEST ADVENTURE EVER BORN/BABY: SECRET OF THE LOST LEGEND)1983年、アメリカ


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・『怒りの湖底怪獣 ネッシーの大逆襲』(THE LOCH NESS HORROR/NESSIE)1982年、アメリカ

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・『U.M.A2002レイク・モンスター』(UMA The Lake Monster(?確認中))1977年、アメリカ


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・『雪男イエティ』(Yeti:The Giant of the 20th century)1977年、イタリア


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・『シャーロックホームズの冒険』(The Privete Life of Sherlock Holmes)1970年、イギリス



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・『ビッグフット』(Bigfoot)1969年、アメリカ

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・『イエティに気をつけろ』(Beware the Yeti)1958年、ポーランド

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・『恐怖の雪男』(The Abominable Snowman)1957年、イギリス



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・『雪の怪物』(Snow Creture)1954年、アメリカ

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・『ザ・シークレット・オブ・ザ・ロッホ』(The secret of the Loch)1934年、イギリス


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番外編【未確認動物じゃないけど原人映画】

獣人系UMAではないものの、猿人・原人・ミッシングリンクがモチーフになっているモノを集めてみました。

・『ヒューマン・ネイチュア』(Human Nature)2001年、アメリカ



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・『北京原人Who are you?』1997年、東映


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・『原始のマン』(ENCINO MAN)1992年、アメリカ


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・『エイプマンひとりぼっち』(Missing Link)1988年、アメリカ


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・『アイスマン』(Iceman)1984年、アメリカ


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・『北京原人の逆襲』(THE MIGHTY PEKING MAN GOLIATHON/猩猩王)1977年、香港



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ドキュメンタリー作品【海外】

硬軟問わず、ドキュメンタリー映像作品を集めました。

・『ナショナルジオグラフィック 雪男伝説を追え!』ナショナルジオグラフィック社、2011


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・『サイエンス・ドキュメンタリー ネス湖の伝説』アーティストハウス、2007


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・『TV放送禁止シリーズINTERNATIONAL ネッシー』 2001


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・『雪男ビッグフット』ユニバーサルビジョン、発売年不詳



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ドキュメンタリー(フェイク含む)作品・オリジナルビデオ作品【日本】

硬軟問わず、ドキュメンタリー映像作品を集めました。

・『衝撃映像!未確認生物UMA [DVD]』(ジェネオン・エンタテイメント、2008年11月7日)


 ナビゲーターは、怪談モノでもすっかりお馴染みになった桜金造。紹介される未確認動物は、河童・ヒバゴン・スケルトンワーム・ツチノコ・本栖湖のモッシー。ジャンルとしては、いわゆる、「フェイク・ドキュメンタリー」になるだろうか。
 河童に襲われた女性のインタビューをはじめ、川で魚を探すヒバゴン映像にしても、汚い部屋に現れるスケルトンワームにしても、ツチノコを料理する謎のオジさんにしても、ボートをひっくり返すモッシーにしても、まぁ、仕込みですね、全部。
 たとえ仕込みでも、調査員の本気度が高ければ、もしくは“真剣に遊んで”くれれば、我々見てる方のテンションも上がるのだが、どうも、スタッフもキャストも最初から未確認動物をバカにしているというか、中途半端にネタにしてふざけているのが、こちらに伝わってしまうのがツライところ。
 ユルい感じの女性アシスタントの天然ぶりはまだいいとして、映像に登場するディレクターさえ、UMAを「ウーマ」などと言う始末。地上波では、すでにこのような怪獣探検番組が作りづらくなっている昨今、同ジャンルが生き残るとすれば、低予算の企画DVDなのだろう。それにしても、これではなぁ……。
 アイデア次第によっては、面白い作品もできそうな気はするんだけど。
 本筋とは関係ないが、スケルトンワームの回で、散らかった部屋の中に無造作に置かれた、「為人民服務」と書かれた毛沢東バッグが、無性に気になってしまった。


・『実録! 呪われた都市伝説スペシャル [DVD] 』(エースデュースエンタテインメント、2008年6月20日)


 中国を舞台にした都市伝説を現地ロケして紹介するオリジナルDVD。神農架の〈野人〉はラストに収録されている。
 ボクもちょっと関わった2005年のテレ朝の特番(“雑交野人”の兄弟に取材)以降、最近の〈野人〉を取材した日本の番組は久しぶりだった上、神農架自然保護区内に外国のカメラが入ること自体が非常に珍しかったので、こりゃ貴重だと思って視聴たが……見事に期待外れ。
 外国人は入れないからと、取材拒否のオンパレード。
 〈野人〉博物館にも入れなければ、〈野人〉出没スポットの取材も許可されず、会えると思った〈野人〉ハンター張金星(!)は、山中暮らしで所在がつかめず写真のみの紹介。揚げ句、最後に出てきたおっちゃん以外、目撃者も証言を拒む有り様。ちょっと同情したくなったくらいだ。
 うーん、もっと力のあるテレビ局や制作会社だったら、取材許可が下りたのだろうか? 確かに、10年前にボクが行った時も、途中の町で、所々、未開放地区のような場所も通った(中国人のふりをして切り抜けた)が、自然保護地区自体は観光地化されているはずで、今回のクルーが進入を禁止された板璧岩(〈野人〉出没スポット)ですら、中国の旅行会社のウェブサイトを見れば、ちゃーんとツアーのコースに入っているのだ。中には〈野人〉捜索タイムを設けている旅行社もあるほど。
 個人の旅行や取材でも、入り込めないことはないはず。かつてボクらも地元、木魚鎮でミニバスをチャーターする際、行ける場所を確認し、いろいろ交渉して、板璧岩や神農頂ほか、様々な場所に入り込めた。ボクより数年前に神農架入りした高野秀行さんも、かなり広く動いて取材されていたはず。
 今回のDVDに関しては、スタッフの事前のリサーチ不足と、取材交渉のマズさがあったのではないかと思います。

 DVDの結論としては、観光客の進入を禁止したり、目撃者にも証言を制限したり(?)、保護区内に住む住民の退去が進められているという情報から、「中国政府が、神農架から人を排除し、何かを隠しているのだ」……的な方向に持っていこうとしたいようでしたが、神農架の人々や地元政府は、隠すどころか、〈野人〉を前面に押し出し、広告塔にしているのが実情のはず。
 事実、このDVDでも、取材を受ける現地人のバックに、「野人原味」という看板を掲げたレストランが映っていたり、思いっきり〈野人〉のイラストが描かれている地元のPR用看板がカメラにとらえられたりするのだが、一切スルー。
 また、ナレーションでは繰り返し「中国政府が……」と、さも国家ぐるみの陰謀であるかのごとく、さんざん煽るが、中国語で「政府」と言ったら、地方の役所レベルでも使われる単語であり、登場する中国人が使っている場合、ほとんどがこっちの意味だと思われる。
 かなり前に、「奇蹟体験アンビリバボー!」でも、張金星密着をメインに、神農架取材をコミカルタッチで放送していたが、それが途中で取材続行できなくなった理由も、「軍の演習がおこなわれるため、退去を余儀なくされた」的なオチだった。
 未確認動物ストーリー(その取材が未解決に終わる場合)の着地点を、政府や軍の陰謀論(隠蔽工作等)に持っていくのは、ある意味手抜きではなかろうか(某番組の「天池怪獣」取材もこのパターンだった)。
 ただ、そういった「上の人間たち」に関しては、未確認動物の情報を、うまく利用しようとしているという点では、あながち、無関係とも言い切れないワケだが。

 それから、もうひとつ。「神農架」を終始「かみのうか」と呼称しているのが気になった。確かに、そのような読み方をしている日本の書籍もあるが、現在ではほぼ「しんのうか」に統一されているのでは? そもそも、同地の名前の由来となった伝説の神さま「神農」のことは、昔から「しんのう」と読んでいるわけだから、ここは、それにしたがった方がよいかなと思った次第。


・『電エース ハンケチ王子の秘密』 2007


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・宮内洋探検隊の超常現象シリーズ 幻の生物ツチノコを捕えろ!』 2007


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・『スカイフィッシュの捕まえ方』(国内編・サイエンスジャーニー編・板尾創路編) 2006〜2007



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・『DVD Uoo Project』2005


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・『川口浩探検隊シリーズ【未確認生物編】』 2005


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・『「U.M.A.」伝説の原人を追え!』 ファインアート・エンターテイメント、2002


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・『大門浩探検隊 ツチノコ伝説』 2001


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アニメ等

アニメ作品です。

・『なかよしおばけ ネス湖へ行く』

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・季刊ドラえもんスペシャル 夏の号1「ネッシーが来る! の巻」 [VHS]


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音楽作品

UMAがモチーフになっている楽曲を集めてみました。

・「野人也有愛」新褲子 2008


・「泳ぐなネッシー」四人囃子 1976


・「ネッシーとクッシー」田中星児


・「ヒマラヤ雪男くん」小林亜星/堀江美都子


・「空飛ぶネッシー」チューさんとサコちゃん