2013年度 中国・中国語アンケート集計結果 2013.4.16
今年は少なめ
知っている中国人ベスト10
毎年、1年次向け中国語クラスの初回で、中国・中国語に関するアンケートをとっております(非常勤時代を含めた過去10年の記録は、旧サイト(野人飯店・旧館)の方で公開しておりますので、お時間ある時にでもご覧ください)。今年は自分の担当する1年生クラス4つで実施し、有効回答数55名でした。
ある程度予想していたことではありますが、今年は1年生の中国語履修者が減少。まだ最終的な数字は出ておりませんが、少なくとも昨年を下回る数字になりそうです。他大学の情報もチラホラと耳に入ってきてはおりますが……うーん。もう少し様子を見ながらいろいろ考えることにしたいと思います。
まあ、少ない回答数で何かを語れるわけではないのですが、今年もちょっと覗いてみましょうか。
さて、恒例の「知っている中国人を3人挙げよ」という設問ですが、今年は以下のような結果となりました。
1位 ジャッキー・チェン(26票)
2位 毛沢東(22票)
3位 ブルース・リー(8票)
4位 温家宝(7票)
5位 胡錦濤(6票)
6位 諸葛孔明(5票)
6位 蒋介石(5票)
8位 孫文(4票)
9位 孔子(3票)
9位 ジェット・リー(3票)
1位2位は昨年と変わらず。というよりも、アンケートをとり始めて10年あまり、ジャッキーと毛沢東のツートップは不動です。3位以下も、まあお馴染みの顔ぶれ。中国に関する情報は入手しやすくなったにも関わらず、興味の対象となるエリアはやはり非常に狭い(あるいはそもそも興味がない)ままなのだなとの実感を今年も強く持った次第。
国家主席・首相の座を降りたばかりの胡錦濤と温家宝がベスト5に入ってきておりますが、これは昨今の日中関係の緊張に伴い、日本のメディアでも両者の露出が増えていたという事情もあるかと思います。過去のデータを見るに、反日デモや尖閣問題などで何かあった翌年には、指導者の名前が上位に上がってくる傾向にあります。ちなみに習近平は2票の獲得にとどまりました。
ちなみに、このアンケートの結果発表時には、プロジェクタでその人物の顔写真などを見せながら紹介していくのですが、「名前は知っているけど顔は知らない」というパターンがほとんどです。胡錦濤・温家宝ですら怪しく、孫文や蒋介石ともなると、わかる方が少数派ですね。
例年、バラエティに富んだ芸能人や文化人、スポーツ選手の名前が挙がるのですが、今年は少なめ。ちょっと寂しい結果となりました。芸能人で票が入ったのはアグネス・チャン、リン・チーリン、テレサ・テン(各1票)くらいです。引退した姚明や、ハードルの劉翔などには1票ずつ。あ、日本ハムの陽岱鋼(台湾)にも1票。
歴史上の人物では、古代の思想家や三国志関係に集中。
毎年、韓国人と中国人を混同したような回答も多く、それもまた楽しみのひとつだったのですが、今回は激減。何というか、これまでは「中国人も韓国人もよくわからんけど受講してみっか」といった方々(ライト層?)も少なくなかったのですが、今年はそういった面々が軒並み中国語の履修を見送ったような印象です。
……あ、「孫正義」と書いちゃった方も、今回複数名おりましたね。じゃあ、一概にそうとも言い切れないか。
履修動機
そして、設問「中国語を履修した動機は?(正直に!)」への回答です。
寄せられた回答を、内容ごとにこちらで分類してみました。
【これから必要・実用的】系
外国語の中で学ぶなら、中国語がこれから一番必要になると思った/英語以外の他国の言語を学びたいと思い、学ぶとしたら中国語がもっとも役に立ちそうだと思った/就職した時に、中国の観光客の方と話せたらいいなと思いました/将来彼らと関わる可能性が増えたことで、中国語を身につけておけば役に立つと考えたから/話せるとこれからの時代何かと便利だと思った/公務員になった際に役立つと思ったので/就職に使えると思ったから/もっとも実用性が高そう/知っていて損はなさそうだったから/
【もともと興味があった・具体的な目標がある】系
中学のころから中国語に興味があった。ホテルなどに行くと中国語を聞いたので、理解したいと思ったから/万里の長城へ行ってみたいから/一昨年、SMAPが北京でコンサートを行なったことがきっかけで興味をもち(SMAPが好きなので)、/将来、旅行で行ってみたいから/書道が好きでその原点などが知りたい/他の外国語より親近感が持てるし、ホテルでバイトしていた時には中国人がかなりいたから/バイト先で中国人のお客様が来られるので、話せるようになりたいと思ったからです/中国人の友達がいるから/三国志とかが好きだから/中国拳法に興味がある/電子小説で、世界での中国語の使用率が高いという文があった/地球上の5人に1人が話している言語だから/
【簡単そう】系
一番理解しやすそうだった/英語と違って取っつきやすいイメージだった/他の言語に比べて簡単そうだったから/漢字表記であるので、他言語を勉強するより覚えやすいと思ったので/漢字で表記するから覚えやすいかな?と思いました/中国語は簡単だと聞いたから/
【勧められた】系
父親から仕事で中国人とかかわる機会が多いと聞いたから/先輩に○○先生の授業をお勧めされた/予備校に通っていた時、漢文教師が中国語を履修することを勧めてきたことが決断に繋がりました
【その他】系
単位のため/空いていたから/「中国」の発音がかっこよかった/ガイダンスの時の○○先生の声が一番優しかったから(マジで)/フランス語の履修者が少ないらしかったから/スタートが皆一緒だと思ったから/韓国語と悩みましたが、中国語の方が自分向きかなと思いました/将来、日本は中国に乗っ取られるかもしれないから
……一番最後の回答、本人はジョークのつもりで書いたんだとは思うのですが……。
中国人観光客の増加に伴い、彼らに接する機会が多くなり、話してみたいと思うようになったという動機も近年は多かったのですが、その傾向はわずかながら続いているようです。
中国・中国人イメージ
設問「中国・中国人のイメージは?」への回答です。「単語でも文章でもOK」としてありますが、いろいろな声が寄せられました。これも、内容ごとに、こちらで分類してみました。
【国に関するもの】
PM2.5/空気が汚い/大気汚染/黄砂/共産主義/赤/マイナスイメージ/領土問題で、いいイメージがない/正直、悪いイメージがほとんどです。自国の利益のために他国との抗争も拒否しないとするところなど/お金持ち/経済格差/経済格差が大きくて、日本に来ている中国人はほとんどが富裕層のイメージ/貧富の差が激しい/人口が多い/闇っ子などの問題が多い/圧力で自由がない/農民が多いイメージ/カンフー/中華料理/中華料理美味しい/万里の長城/歴史が深い/多民族/民族衣装/パンダ/自転車/カメラ/観光客/パクリ/パクリの文化/経済発展を迎えた国/様々な文化を取り入れる国/自分たちの文化を尊重する/三国志/
【人に関するもの】
声が大きい/早口/うるさい/雰囲気が明るい/強気なイメージ/周囲の目を気にしない振る舞い/自己中心思想が強い/自分勝手/プライドが高い/嘘つき/大ざっぱ/がさつ/努力家/積極的/感情的(日本人に比べて)/直情的/短気/頑固/強気/過激/著作権に対する意識が低い/何でもパクり過ぎ!自分たちでブランド作った方がよっぽどいいのに/太極拳をやっている/料理上手/超辛党/謝らない/
【日本との関係で】
反日感情が強そう/日本に興味がある/日本人に似ている/日本にいろいろ近いところがあるが最近は反日/日本との関係があまりよくない/日本のパクリ/国内統一のために日本を国民の不満のはけ口にしている/日本を嫌いな人がよく暴れる/日本に対する友好感と敵対感/北海道に観光客としてよく来る/日本人に偏見を持っていない人もいる(先輩が言っていました)/
ちなみに。
1年生の中国語学習者激減の一方、上級年次の継続学習者は例年に比べてそれほど減ってはいません(現時点で、ですが)。
本当に学習を続けたい学生は、そのまま残った印象です。
野人飯店・新館オープン! 2013.4.1
一年三ヶ月の沈黙を破り、今、再起動
サイト再開までに……
お待たせして、どーもスミマセン ご無沙汰しております。野人飯店管理人のイエレンです。
待望(?)の野人飯店、再起動であります。実に一年三ヶ月ぶりになるんですね。いろいろありすぎた2011年の暮れに、トップページの頭に「よいお年を!」と一言残したっきり、ぱったり更新が途絶えてしまいましたので、心配してくださった方も中にはいるかも知れません。
ブログ「風に立つ野人」が動いていたとはいえ、そっちも更新速度が一ヶ月に一回ペースとなってしまっておりましたしね。
そもそもブログの方は、2010年の入院時にできるだけ元気な様子を伝えようと始めたものでした。病室からホームページを更新するのはやはりかなり手間がかかり、負担にもなるので、手軽にできるブログに(あれだけ敬遠していたにも関わらず)手を出した次第です。
2008年の入院時はちょうど入ったばかりだったmixiを通じて一部には近況を報告していましたが、今度はより多く/遠くの友人・知人に伝えられるブログというツールを選択しました。
それでも、「元気になりつつある」と書けるようになるまでには、入院から一ヶ月という時間を要してしまいました。実際のところ、最初はそんな余裕もありませんでした。
退院後もリハビリの模様などをアップしていきましたが、その後、様々な配慮からネットで饒舌になることを控えるようにしました。
自粛です。
そもそも、退院したら時期を見てやめるつもりでした。ブログのサブタイトルにも「期間限定(?)」の文字が残っています。
しかし、退院から二ヶ月後に発生した東日本大震災がボクの考えを変えました。
震災とブログ
震災直後、実家や、東日本在住の友人たちと、丸一日以上も電話も携帯メールも通じなくなってしまったのです。
これには驚きました。
通信手段や交通の手段が高度に発達したこの21世紀に、これだけ長い時間、音信不通になる事態に直面しようとは、ちょっと予想していなかったからです。
テレビの画面からは、信じられない光景が次々に眼に飛び込んできます。
——ただただ絶句。
不安や焦りは募るばかり。
しかし、地元に民放テレビ局のない実家・茨城の映像・情報はまったくといっていいほど入ってきませんでした。
そこでボクはブログで呼びかけました。「おーい! みんなー!」と。
日々のアクセス数も少ないわがブログで、どれだけ返事が期待できるというのか……正直ダメモトでした。
それに本当にたいへんな人々は、ブログどころじゃないはずです。
しかし、この呼びかけにはたくさんの方が反応してくれました。友人だけではなく、まったく知らない方、まさに被災した方などもコメント欄に、生々しい状況を伝える書き込みをしてくれました。
電話や携帯メールがダメでも、ネットはある程度コミュニケーションが可能であることを思い知った出来事でした。
その後通信が回復し、家族や地元の友人などから故郷の被害状況や避難情報などが次第に明らかになってくると、今度はそれを順次ブログにアップ。ライフラインの現状などをできるだけ詳細に書きました。地元と連絡が取れても、停電が続いているためにあちら側の携帯の充電が持たず、長く話せません。できるだけ簡潔に話を聞いて、それを札幌にいるボクがブログで公開する(「あくまで伝聞ですので公式発表等があればそちらを参照してください」と断りを入れたうえで)……というのをしばらく続けました。
すると、それまでは一日のアクセス数は10人前後の過疎ブログだったにも関わらず、瞬間的に数百人の訪問者が見えるようになりました。やはり茨城の情報に飢えていたとおっしゃる方々から、感謝の書き込みも多数いただきました。
私的な言葉を垂れ流すだけの道具だと思っていたブログの持つ潜在的な力を、実感した出来事でした。
ブログをやめるつもりだったボクは、「やめる」ことをやめました。
Twitterを始めたのも、震災から十日後のこと。その拡散力を知って、アカウントをとることを決めた次第です。
そして野人飯店の休眠
毎朝病室から眺めた朝日 そもそも、ネット上で人とコミュニケーションをとることが苦手な自分が、ブログやTwitterを始めるなんて、以前ならまったくもって考えられないことでした(ましてやFacebookをや!)。
このホームページ・野人飯店は比較的早くからやっておりましたが、コメント欄も掲示板も設けておらず、いわば情報の一方通行。あとは野となれ山となれの情報投げっぱなしジャーマン状態。
それでいいと思っておりました。
しかし、未確認動物情報を積極的に発信するようになった2005年以降からは、様々な立場の研究者・ライターさんたちからリアクションのメールを(ある時にはお仕事まで)いただくことが増え、双方向のコミュニケーションについても考え始めるようになっていきました。いろいろ面白い発想も浮かび、正直、楽しくて仕方がありませんでした。
就職も決まり、これから本業や趣味の研究に本腰を入れて、ウェブを活用した活動も本格的に始めようとした矢先のことです。
調子に乗っていたのでしょう。
病気で倒れました。
退院して仕事に復帰。ただ、情けないことに以前のようなパワーは出したくても出せません。
以前できたこともできなくなり、ささいな失敗も増え、自信も余裕もなくなっていきました。
そんなこんなで、同じ病気でまた長期入院。これには、ちょっとコタえました。
退院後は自身の生存を知らせる(近況を報告する)手段としてのブログと割り切って、以前の野人飯店でしていたようなネタっぽいコラム(いやでも実話ですよ!)や、ギャグ過剰な文章は自粛。
野人飯店は開店休業状態となりました。
野人飯店のコンテンツである、自身の趣味のコーナーは放置したまま一年三ヶ月が流れてしまいました。実際、情報を整理して公開するエネルギーがありませんでしたし、そんなことをする前に、やらなきゃいけないことがたくさんありました。
しかし、ブログやTwitterの言葉は恐ろしい速さで流れていってしまいます。速報性や拡散力、自由度といった面ではもちろん、コミュニケーション・ツールとしても非常に有用なのですが、時間軸に沿って様々な情報を無秩序に漂わすのではなく、やはり仕切ってラベルを貼って並べて展示する場所がほしいと、そして、やはりいつかは野人飯店を再建したいと密かに思い続けていた次第です。
これだけ個人で簡単に情報を発信できるツールが様々に発達している現在、なんだって今またホームページなんて形にこだわるんだ、と思われるかもしれませんが、多分、現状ではこのスタイルが最適なんだと思います。
実はこの野人飯店、この2013年6月で、とうとう開設から10周年を迎えます。
いろんなことがありました。
今は、ようやく自分のホームグラウンドに帰ってきたような心境でおります。
新館になったとはいえ、まだまだたいしたコンテンツはありません。そして今後も、多分、以前と同じように、一部の好事家の方々くらいしか喜ばないようなサイトになるだろうと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
というわけで、皆様、
ただいま!